片岡義男
高校は男子校だったんだ。
16歳からサーフィンを始めてね、仲間たちとバス会社に交渉してボードを乗せてもらえるようにして毎週海に通った。
でもって、毎週波に巻かれるんだ・・・
海の中でもがき苦しんでいると、なんとなく線香の香りがする。
海の中なのにお地蔵さんもうっすら見えたり
もする。
かすかにお経も聞こえるような気がするんです。
それでもサーフィンが楽しくてしょうがなかった・・・
当時の愛読書は「Fine」と「片岡義男」
もうミーハーまる出し!だけど好きだったなぁ(頬が赤くなるのは何故だろう・・・)
着るものは
「トップサイダーのデッキシューズ」に「ファーラーのパンタロン」に「安物のアロハ」
これに貝殻で出来たネックレスを付けると、もう救いようのないチャラ男の出来上がり(書いてて恥ずかしくなるのは何故だろう?)
土曜日は特別な夜で、「オレたちひょうきん族」を見てから友達の家に遊びに行き、小林克也の「ベストヒットUSA」を見て「オールナイトフジ」のドジ井坂さんの波情報を聞いては始発で波乗りにいくのが習慣になっていた。
話はかなりズレたが、片岡義男の「8フィートの週末」という本が中古で売っていたので懐かしく買って読んでみると
むむむ!これは沖縄が舞台ではないかと錯覚する。
3年前に突然消えた彼・・・
1人の美しい女性が空港に降り立つ、彼のいる島に・・・
再会としばしの別れを予感させながら、やがて飛行機は飛び立つ・・・
3日間という時間の中で、彼女は3年間の空間をやさしく埋めていく・・・
彼女から渡された1本のビデオテープ・・・
そこには・・・
1983年に出版された四半世紀前の本を読んで、鼻の奥がツンとなった。